Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』他

独白するユニバーサル横メルカトル
  • 平山 夢明
  • 光文社
  • 2006-08-22
  • ¥ 1,680
  • Book

作者・平山夢明さんのブログでも書かれている通り、『独白するユニバーサル横メルカトル』が、毎年行われるミステリー・エンタテインメント小説界のランキング「このミステリーがすごい!」の1位に!!!これはほんとに、大変な事態ですよ!!!
つか、この本は地元の書店に出てなかったので、ついつい購入するのを忘れていたのだったが、先日なぜか新刊棚にあるのを発見、「???」と思って手に取ったら、帯にこのミス1位とか書かれてて、「!!!!!!!!!!!!!」と思いつつ、即購入し、即読了した。てか、普段よりさらにずっとパワーアップした素晴らしさだ……。これでさらに多くのひとたちに読まれたら、まさに事件だよなぁ。

著者のエントリにある通りの大幅な増補目当て購入。
まず、ただただ懐かしい。この本がリリースされた半年後に、それと知らずにこのひとが助教授をつとめる学校に入り、多大な影響を受けたわけだし。とはいえ、単に懐古的な気分で読めばすむという本ではない。時事的な話はまぁ「そういうこともあったねぇ」的であるとしても、たとえば宗教に関する明晰な議論はいまだって十分以上に役立つのだし。
ただいまも納得いかないのは、当時の援交少女たちが傷ついてないってのは間違いだったと21世紀になって前言撤回をしたことで、「え?それじゃ彼女らは単なるバカってことじゃん。当時、彼女らの先進的な生き様を称揚してたんじゃなかったの?」と思う。そういう意味で、援交体験者でいまは小説家をしているというひとが増補分の座談会で述べている以下の言葉(P.160-161)が気になった。まぁ、結局このことについては何も語られず、スルーされてるわけだが。

私は、援交にお金以外の何か、例えば、寂しさのはけ口や、優越感のためにしていた子たちが病んでしまうのは、予測しうる当たり前の事態だと思うんです。援交卒業後には、寂しさや優越感の受け皿はないわけですから。病みの原因には、敏感な年頃にゆがんだコミュニケーションを取り続けていたことにあるかと。しかもそのコミュニケーションですら、制服を脱いだ瞬間に、成立しなくなることもあるんではないでしょうか。逆に言えば援交経験者でも、目的が「お金」で割のいいバイトだと割り切っている子たちは、別に生きづらくなったりしていないと思います。若い頃暴走族だったとか、ゲバ棒振るってたのと同じようなもので、若気の至りだと割り切ってる。
そう考えると、もしも、宮台さんに間違いがあったとすれば、それは、宮台さん自身が、痛みを伴わずに「援交」に関わって、お金を得たことではないでしょうか。もちろん、私には計り知れない痛みを感じているかもしれません。けれど、それは当事者だった女の子からしてみたら小さな事なんだと思います。

小説のストラテジー

佐藤亜紀さんが「ユリイカ」に連載していた批評が単行本化された。佐藤亜紀さんは、小説が面白いのはもちろん、評論やエッセイもステキ。

文化人類学的興味から購入。
自由論
  • ミル、 山岡 洋一
  • 光文社
  • 2006-12-07
  • ¥ 540
  • Book

光文社の古典新訳文庫シリーズ初購入。



とりあえず。

文化人類学的興味から購入・読了。
タバコ有害論に異議あり!
  • 名取 春彦、 上杉 正幸
  • 洋泉社
  • 2006-12
  • ¥ 819
  • Book

なにこれ。最初の20ページで挫折。ってか、読むの不可能。ってか、読むことを積極的に妨げられてる。
科学的に云々とかいって、おまえ個人のことはどうでもいいよとしかいいようのないタバコの効用を蕩々と述べられると、いかに僕が嫌煙運動的なことにマイナスのイメージを持ってるとはいえ、こんなことを書いていい気になってる連中と一緒にされたくないというそれだけの理由で、嫌煙的な態度をとりそうになるよ。読み進めればちゃんとしたことが書かれているのかもしれないけれど、先述の通り、そういうバカげたことを冒頭におくこと自体が、内輪向けにしか書かれていないことを示しているのであり、とすればもうその先は読めないではないか。なんだよこれほんと。

あー、最高だなぁ……。

来年はメモ魔と化す予定。