本社機能としての投資家的機能を社内市場へ移譲することについてのメモ
Twitterにメモっておいたものを、こちらにも貼り付けておく。
- まず第一に、Webサービスというポジショニングの取りにくい競争構造においては、資源ベースの競争優位を確立する必要がある
- どうやってそれを確立するかにはいろいろ方法があるだろうが、ここでは本社機能の一部を社内市場に移譲することと、その効果について考えてみた
という感じ。途中、だいぶ整理されていない話が出てくるが、そのあたりの論理付けについては、おいおいちゃんとしていきたいところ。
Webサービスにはポジショニングの取りようがほとんどないので叩き合いになる。再考の余地はあるだろうが、それはとそれとして、ならば資源の向上(能力構築)をいかにうまくやるかということになり、知識創造でもスクラムでもなんでもいいが、そうした再起学習を含むプロセスを洗練させる必要がある
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
本社機能が、事業部門に対して投資家的立場で投資実行・評価を行うというのは教科書的かつ正統的見解だろうけれども、事業に関わる人々のプールをそうした立場であると捉え、人々の選好によって事業への投資判断を行うという手法の可能性と、成立要件についてこの頃は考えをめぐらせているところです。
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
企業内に市場的なものを持ち込むという実験は、たとえば人事評価では行われてきた。それを投資判断についても適用するということ。いくつかの成立要件がある。まず、会社が会社であるのは、ミッションが共有されているから。これがないなら各自バラバラにやればよい。強いミッションとその共有が前提。
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
人々の市場的判断を、事業投資判断に近づけていくといっても、一般に会社や事業部門が従業員をプールするのは、人材の取引費用が高いためなのだから、そう簡単にはいかない。そのコストを下げるためには業務の標準化とヒエラルキーの設計を見直さねばならない。スクラムはその点できいてくる。
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
アジャイル開発はビジョンを調達できないといわれるが、それは設計がまずいだけの話であるのと同様、単に一般の市場と同じように業績とのペッグをしてもうまくいかないだろう。会社が新規事業のインキュベーションを司る機能を持つことを踏まえた上で、多様な選好を受容できるようにしなければならない
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
人材プールに投資家機能を持たせるという方策は、以上に述べた(1)ミッション共有の強化 (2)業務効率によるリソースの強化 (3)その上で適切なビジョンに統制された多様な選好による投資判断を前提とし、その結果として、複雑性・不確実性の高い現下においてよりよい事業判断を可能とし得る。
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
その副作用として、そうした前提を整え、各自が重い判断を経験し成長していくということにより、先述の通りポジショニングよりはリソースベースでの能力構築に力を注がざるを得ないWebサービス事業者にとって、唯一可能となる競争優位性をもたらし得るところにも、そのメリットがあるように思われる
— kentaro (@kentaro) January 1, 2014
そのように、事業にたずさわる人々を、その労働力を投資することでリターンを得る、リターン最大化のために知恵をしぼる投資家のようなものだと考えると、いわゆる「技術的負債」論にひとつひねりを加えられます。負債=利子への着目ではなく、資本調達コストの問題という前向きの見方が可能となる。
— kentaro (@kentaro) January 2, 2014