Kentaro Kuribayashi's blog

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釘原直樹『人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学』

ひとは集団になると、無意識のうちに手を抜いてしまう。それは、ひとばかりではなく他の動物、ゴキブリにすら見られるという。その意味では、自然選択されてきた特質なんだろうので、一概に悪いこととばかりはいえないが、ともあれ人間の組織においてそれがなぜ起こるかというと、以下の3つが挙げられる。

  1. 努力の不要性(誰かがやってくれる)
  2. 道具性の不足・欠如(やったところで大勢に影響しない)
  3. 評価可能性(やったところでバレない・報われない)

身近な人々からなる集団に限らず、もっと大きな集団においてもそれは起こるし、組織の取り組む内容に限らず、たとえばスポーツのようなものでも起こる。そういう話がたくさんあれこれと書かれているのだが、その対策として述べられていることも、最終的には上記3つをできるだけ担保することといえそうだ。

人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

  • はじめに
  • 第1章 社会的手抜きと集団のパフォーマンス
  • 第2章 社会的手抜きと個人や集団の特質
  • 第3章 日常生活における社会的手抜き
  • 第4章 国家と社会的手抜き
  • 第5章 社会的手抜きとスポーツ
  • 第6章 社会的手抜きの悪影響
  • 第7章 社会的手抜きに反する現象
  • 第8章 社会的手抜きに対する対策