Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

女の子たちの会話

誰が会をまとめたのかすら知らず、とりあえずいいわたされた時間にその店にいってみたけれど、まだ誰も来てはいないのです。あの、7 時に席を予約しているものがいるはずなんですが…。 7 時でしたら ? さんという方が予約されてますが。その「 ? さん」という名に聞き覚えがなくて右往左往していたらその会で顔を合わせることになっていた別の女の子がやってきて、結婚したんだから姓が変わるに決まってるじゃない、といわれました。

女の子ばかり 4 人に囲まれてわいわいいいながら飲んでいたのだけど、別段モテているわけではなくて、夏休みをとって帰省してきた女の子が明日には帰ってしまうということで、ひさしぶりに同級生どうし集まったのでした。女の子たちの会話は甘くふわふわしていてじれったくもあったのだけど、慣れてしまえば流れにのるのが面白くなって、それを僕の文脈で解釈すると「ひたすらいい加減なことをいう」という話法と合致するようで、思ってもいないことをひたすらとぺらぺらおしゃべりし続けたのでした。

トイレに行っている間に席がかわっていて、僕はその ? さんの横にすわり、だんだん酔いもまわってきたのでいい気分になって際限のないおしゃべりを時間の流れそのものを表現した音楽を聴くようにぼんやりと聴いていました。ばらばらのリズム。不意の高潮。緊張した停滞。

すると ? さんが僕の肩をぽんぽんたたきながら、セクハラだよねぇ、となんどかくりかえすのです。そこで会話の内容を追ってみると、 ? さんがわりと胸元の開いた服を着ていて、そこにのぞくほくろが蝶々のように見えたという別の女の子が、すっごくセクシーだよね。それに胸も大きくなったんじゃないの? というのに対して ? さんが、もとから大きいんだって。失礼だよねぇ、といったのちに僕の方を向いて、ごめんね。こんな会話って(僕にとって)セクハラだよね、と肩をたたいているのでした。

そこで僕は、どれどれ、などといって体を乗り出し胸元をのぞき込む体勢をとってみせたほうがいいのかな、と思いつつも、うふふ、と笑うだけでまた彼女たちのおしゃべりに聴き耽る役に立ち戻ったわけですが、というのも、席がかわるまえは ? さんの向かい側にすわっていて、それを知っていたのです。