Kentaro Kuribayashi's blog

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「公開講座 現代最高の鬼才ピアニストアファナシエフ氏を迎えて 〜詩とピアノの夕べ〜」に行ってきました

京都造形大学内の京都芸術劇場で行われた「公開講座 現代最高の鬼才ピアニストアファナシエフ氏を迎えて 〜詩とピアノの夕べ〜」に行ってきました。

エリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝し、ギドン・クレーメルとのデュオで世界的センセーションを巻き起こした後、極端におそいテンポと無限の深みを感じさせる響きで独自の世界を築き上げたヴァレリー・アファナシエフ

ロシア・ピアニズムの最後の継承者とも言うべきこのピアニストが、小説家であり詩人であり演劇人でもあることは、あまり知られていない。それどころかアファナシエフ自身は「自分は何より文人であるにもかかわらず、あたらピアノが弾けるのでその面ばかりが注目されてしまった」とさえ言いたげなのだ。 現在、世界でもっとも注目されるピアニストの一人であるアファナシエフのもうひとつの顔を、彼がソヴェト時代から憧れてやまなかった京都の地で発見する。既成のジャンルを超えたアファナシエフの「詩とピアノの夕べ」は、そういう特権的な機会となることだろう。

京都造形芸術大学大学院長 浅田彰

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というわけで、最近、東京オペラシティ07年公演のシューマン子供の情景」「交響的練習曲」録音や詩集が刊行されたばかりのヴァレリー・アファナシエフさんが、昨年度から京都造形大学の大学院長をつとめている浅田彰さんの招きにより京都にいらっしゃって、詩の朗読のイベントを行うということで、大興奮。結果、本当に素敵な時間を過ごすことができて、この企画実現に尽力くださったすべての方に感謝申し上げたい気持ちでいっぱいです。

乾いた沈黙―ヴァレリー・アファナシエフ詩集

乾いた沈黙―ヴァレリー・アファナシエフ詩集

思うところたくさんあり、とても感想を逐一書ける感じじゃないので、帰宅後に記憶を辿りながら疑似的に「Tsudaって」みた内容を以下に貼り付けておきます(「Tsudaる」という言葉については「津田大介は『Tsudaる技術』という本を書くべきではないだろうか - YAMDAS現更新履歴」参照のこと)。少しは状況を知るための手掛かりになるのかなあと思ったりします。あと、メモを取っていたわけではまったくなく、下記は全部思い出し書きなので、いろいろ不完全だと思いますので、ご注意を。

明日は、浅田彰先生がおっしゃるところの「特権的な機会」に立ち会うことになろうかと思います。

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いってきます

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アファナシエフ公演から帰宅しました。もういろいろ感ずるところがあって大変な感じです。ともあれ、素晴しい時間だったー

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当日券買おうと思って並んでたら外人さんにチケットあまってるからあげるとかいってもらった。わりといい席だったし、得した。

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浅田彰さん登場、「説明の必要もないと思いますが」といいつつ軽く前口上

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アファナシエフ登場。お腹が出ている

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アファナシエフさん、フランス語でしゃべるのかと思いきや、ずっと英語でしゃべった。

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先日刊行された『乾いた沈黙』をアファナシエフさん、浅田さん両方とも携えて、アファナシエフさんが英語原文を朗読した後、浅田さんがその日本語訳を朗読。アファナシエフさんはわりと淡々としている感じ。浅田さんの朗読初めてきいたけど声は通るしベタといっていいほど感情込めて朗々と読むのでびっくりした

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アファナシエフさん、空間spaceの重要性について語る。音楽ばかりでなく、詩や小説を書くことは自分の空間を広げること。

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リストのような立て続けに盛り上がるようなピアノソナタもアファナシエフさんが引くと空間的になる云々。

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アファナシエフさんが話し続けようとするのを浅田さんがthe piano is waiting for youといってピアノを弾いてくれるよう示唆。

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アファナシエフさん、ショパンのかわいい感じのソナタを披露。浅田さんは、リストでも弾くのかと思えばショパンのintimateな曲を弾いて云々と笑う。

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「休止」朗読。音が止まる時、音楽は音楽自身を聞く。浅田さん、自分の声を自分が聞くということの連なりが時間を生むというようなことをいう

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アファナシエフさん、演奏。またショパンの曲。なんかとても気楽に弾いている感じ。

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書くの忘れたけど、浅田さんの前口上で、本来ならばスタンウェイなりを持ち込んでもっとこじんまりとしたところでやるべきところを、こういう場所でやることになった。ピアノを聴く会というよりもむしろ、晩餐にふと集まった中で文学談義をし、たまにピアノなど弾いてみたりするという趣向なので、というような設定を説明。

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アファナシエフさん、明後日は東京オペラシティで「展覧会の絵」の再演を行うとのこと。元はバックでの演奏を依頼されていたのだが、役者のトラブル等あったりしたりして、結局自分でやっちゃえばいいじゃんみたいなことになったとのこと。10月にはまた来日してリストを弾くとのこと。

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浅田さん、日本文学に影響を受けたアファナシエフさんに、ソ連での5, 60年代に窒息しそうになっていた中で日本文学の世界が救いになったのでしょうと問い掛け。

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アファナシエフさん、ロシアの詩人はなんかあればすぐに世界とか神とかいうけど、日本の詩人はどうでもいいっちゃどうでもいいようなことを詩にしていて、それが詩になるんだと驚いたという話。

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浅田さん、日本文化を愛した西洋人といえばバルトだけれども、彼も大仰なものよりもむしろ『アミエルの日記』のような「起きたら風が強かった」みたいなどうでもいいことが淡々と書かれているものが好きだった。アファナシエフさんもそうなんでしょうみたいなことをいう。

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当然パソコンはおろか携帯電話など持ち込めるはずもないので、記憶でTsudaってます。

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アファナシエフさん、「僕が世界に絶望している詩だ」と前置きして「人は死なない」を朗読。

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浅田彰さん、「ぼくは棺をかついでもいい」というところを「かんをかついでもいい」と読み、ちょっと緊張(僕が)。とてもメランコリックですね、といってふたりで笑う。

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アファナシエフさん、ちょっとロマンチックな感じの曲を演奏。なんだろあれ。リストかな。

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浅田さんがあれこれいうも、アファナシエフさんは疲れてきたのか、thank youというだけであんまり反応をしようとしなくなる。

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「ジョルダーノ・ブルージョへのオマージュ」を朗読。この世界以外の世界というヴィジョンに共感という話。

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そろそろ時間が、ということになりアファナシエフさんにまずは感謝を、と、まだ言葉を続けようとしているのに観客席から拍手がおこって浅田さんがちょっと困りつつ、軽く拍手をしながらしゃべり続ける。

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ちょっと前後するけど、アファナシエフさん、最近の音楽家は旋律を重視するあまり和音を軽視、旋律を目立たせることばかりに夢中で時間や空間を考えなくてよくないというような苦言を延べる。

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また、現代文学は、かつてプルーストムジールがそうであったように周囲を観察し文章を書くということから離れており、これまたよくないと苦言を呈する。

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だが、音楽は常にそこにあるものなので、現代の演奏家がそのような演奏をしようが音楽は生きるが、文学はそれとは違うのでだめ、という。よく意味がわからなかった。

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アファナシエフさんは時計を失くしてしまったために我々(浅田さんと通訳の方)がタイムキープをする役割になっている。ちょうどアファナシエフさんがムソルグスキーで我々が小人の役回りだと述べ笑いが起こる。

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前後するけど、アファナシエフさん、フランス語、英語、ロシア語で書くことについてはどうかと問われ、とてもエキサイティングであるという。詩を書くことはもうひとりの自分、ドッペルゲンガーを作りだすようなこと。違う言語で書くとはそれを促進する。楽しい体験。

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アンコール等あれば、と浅田さんが煽り、拍手が起こる。なんという曲かわからないけど、まさに時間を操作するとしかいいようのない迫真の演奏で、文字通り会場が凍りつく。すごかった。

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質疑応答ということで質問者ふたり。ひとりは、音楽が止まる時音楽が自分自身を聴くという話は、道元の「ゆうじ」の概念を思い起こすといったことを延々と語りだし、よくあるひとり語り質問者パターン。浅田さん、半笑いながらも「その通りだと思います」とフォローしつつ「ゆうじというのは有時(うじ)とも読みますけど云々」とさりげなく訂正。

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浅田さん、なおも半笑いで「そのことについてもしコメントがあれば」とアファナシエフさんにふると、アファナシエフさんは律儀に時間についてお話しする。

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もうひとりの質問者は、アファナシエフさんはいまのようにしゃべったりピアノを弾いたりきりかえてやってるが、どういう心持ちなのかということ。浅田さんがつけくわえて「展覧会の絵」での役者とピアノ演奏もそんな感じですねみたいなことをいう。

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アファナシエフさん、それに応えて、最初「展覧会の絵」をやった時は、演じた後にピアノの前に向った時、これはなんという楽器なのだ、なにを自分はすればいいのだというぐらい混乱したが、いまは慣れましたね、というようなことをいう。

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拍手、舞台袖へ下がる。

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入口で詩集の物販。購入するとサインをするという話。僕は当然既に購入済みであったのだけど、持ってきてもなかったし、サインをもらうみたいなことに関心もないので、会場を後にした。

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事後Tsudaり終了。ありがとうございました。

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多分、Tsudaり史上最も興味を引かないTsudaりに成功した。

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落穂拾い挿話: 浅田さん、明後日「展覧会の絵」の再演が東京オペラシティであるが、初演で見たがもちろんreviseされているという再演も見たい。みなさんも興味があれば夜行バスかなんかでかけつけるといいでしょう、とかいって薄い笑いが起こってた。

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あと通訳のひとがやたら「やはり」という言葉を発するのだが、それが「やぁり」と発音されるのでちょっとおかしかった。

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さっき聞いてきたばっかなんだから憶えてると思っても、細かいところは全然憶えてないものだなあ……。

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