唐澤太輔『南方熊楠 - 日本人の可能性の極限』
南方熊楠について、気にはなっていたけれどもなんというか忌避するところがあって、いままでほとんど触れずにきたのだけど、この中公新書の伝記的な本がKindle化されていたので、寝床読書のお供として買って読んだ。そんなわけなので伝記的な話をほとんど知らなかったので、その意味では面白かった。
ただまあ、哲学とかを専攻している著者が、変な科学批判みたいになって、分析よりも熊楠的に没入しないとだめだ、みたいなことをいうのは、そうですか……って気持ちにはなるなあ。熊楠はそれでいいだろうし、自然科学者がそういう「詩的」なことをいうのはわかるけど、そうでない人が科学批判みたいなのはね。
- 作者: 唐澤太輔
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2015/07/10
- メディア: Kindle版
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- はじめに
- 第1章 驚異的な記憶力を持った神童 - 和歌山・東京時代
- 第2章 アメリカ時代
- 第3章 大英博物館の日々
- 第4章 無念の帰国と思想の深化 - 那智隠栖期
- 第5章 那智山を下りる熊楠 - 田辺時代(1)
- 第6章 蓄えてきた知を爆発させて - 田辺時代(2)
- おわりに
- 参考・引用文献