Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2018年3月24日

和利道へご飯を食べに行きがてら、昨日行ったときにはオープンしていなかった104ギャラリーのもうひとつの方のスペースへ立ち寄り、昨日観られなかったロバート・ボシシオの絵を観る。こちらのスペースは、倉庫みたいな感じで広くて、大きめの絵が何点か展示されていた。ゲルハルト・リヒターのファウンド・フォトを思い出させるものなどもあるのだが、よく観るとなにやらいろいろ画材を使っていて、テクスチャがザラザラしている。室内のシリーズの大きいものもあり、厚みのある壁の塗りに心惹かれる。

久々にナディッフモダンへ。『Giorgio Morandi 1890-1964: Nothing Is More Abstract Than Reality』、『サイ・トゥオンブリーの写真―変奏のリリシズム―』、『デュシャンは語る (ちくま学芸文庫)』を買う。サイ・トゥオンブリーは、ペインティングやドローイングについてはいまいちのれないのだけど、この写真集は前からすごくいいなと思っていて、近頃、写真の技術的なことを勉強しているところなので、あらためて自分の好きなタイプの写真を確かめるために買ったのだった。写真に限らず、静謐な様子をとらえたものが基本的には好きなのだけど、その中でも、意図的に状況を作っているものがよりよい。トゥオンブリーの写真がそうかというと必ずしもそうじゃないのだけど、このひとのは単純にセンスが圧倒的って感じ。

Goodbeer Faucetsで京都ブルーイングのビールを飲みつつ、デュシャンのインタビューを読む。それにしても京都ブルーイングは素晴らしい。めちゃめちゃ攻めの姿勢な革新的なビールを作っているから、いつも「こんなの初めてだなあ」という体験なのに、しかしもとから「これしかない」と感じさせられる完成度があるという、不思議な醸造所。今日飲んだ「まるでるつぼ」も、ペールエールとしてはややスパイシーさを感じさせつつ、フルーティさとホップの香りが加わって、初めからこうと決まっているというかのような完成度。それにしても、完成度の高さという意味では、以前飲んだ「素」が一番驚いたので、また飲みたいなあ。なんでもない風なのに、これ以外にあり得ない、という完璧なビール。

For Morandiシリーズの4枚目を作った。モランディ的コンポジション。これを観ると、モランディの書くオブジェクトというよりは、その色彩に惹かれているのではないかという気もしてきた。あと、これはスマホで撮った写真を適当に引き伸ばしただけだから、ちゃんとしたい。

続けて、モランディの画集を眺める。モランディが23歳の1913年から晩年までの絵画が100点以上掲載されている。通年で観ると、あまり面白いとは思えない抽象画を書いていたり、風景シリーズも量がたくさんあったり、あの後期の静物画のシリーズはだいぶ若い頃から製作されてきたのだなあといったことだったりがわかる。しかしやっぱり、なんといっても後期の静物画がやはり素晴らしいなあ。また、1960年代前後から、水彩画による静物画も少し掲載されていて、それがまた達意の筆による変奏といった感じでハッとした。モランディについては、他にも本を注文してあるので、楽しみ。