2018年4月21日
「写真家ソール・ライター 急がない人生で見つけた13のこと(字幕版)」を観る。フランソワ・アラールによる、ソール・ライターの住居を撮った写真集によって、ああいう静謐なところに住んでいたものとばかり思っていたので、この映画でソール・ライターが延々ぶちぶちいいながら片付けをしている雑然ぶりに、自らの不注意を恥じる。この作品のソール・ライターは、やはり人間は歳を取るとこうなるのかという面倒くさいおじいちゃんぶりを発揮していたが、人生を積み重ねてきた屈託がそうさせるのだろうなとも思う。
自転車にのって外出。山手通りをまっすぐいって、オペラシティへ。五木田智央展。以前の作品は、なぜだか20世紀初頭的なキュビズムぽい感触を感じて、なんとなく合わないなと思っていたのだが(キュビズム自体は好きなのだけど)、今回の展示に出ている最近作群は、大きな構想力に基づく絵が、必要最小限のストロークのみでスマートに描かれていて、ものすごく好み!行ってよかったなあ。図録も欲しかったけど、写真集とかたくさん買う予定なので、やめ。
代々木八幡方面へ戻り、SO BOOKSへ。写真集がたくさん!あれこれためすすがめつしつつ、ほしい写真集がたくさんあるものの、古いものをどう買っていくかについて考えがあまり及んでいないというのもあり、とりあえず1990年に写美で行われた「モホリ=ナジとドイツ新興写真」展の図録と、島尾伸三さんの『季節風』『生活』を買った。後者は、昔読んだことがあるのだけど、あらためていま読むと感じ方も違うだろう。
んでもって、表参道のGYREへ落合陽一展を見にいく。落合さんの昨今のコンセプトは、問題含みであるとはいえ、とても共感できるなあ。最新鋭の研究と、日本的な「然び」の融合。最近著などを読むと、そういう美的な感性とテクノロジへの没入とが、あまりにも直接に結びついているというところが危うさを感じもするのだし、技術者として共感もするところでもある。
さらにSHELFへ寄り、伊丹豪さんと春木麻衣子さんの写真集を買う。ああ〜、ほしいのたくさんあるよ〜〜〜。と思いつつそのあたりをぶらぶらして、青山墓地から西麻布を経由して恵比寿へ。ちょっと写真を撮ったりする。んでもって「めぐたま」で休憩。ルイジ・ギッリの、モランディのアトリエを撮った写真や、十文字美信さんの『感性のバケモノになりたい』などを眺めたりする。
帰宅して、買ってきた写真集などを眺めつつ、絵を作る。
伊勢五本店で赤武Airと小布施ワイナリーのお酒を購入。特に赤武Airは、12度で原酒という、醸し過ぎない造りによって、ソーダでも飲んでいるかのような爽やかさを実現していて、まさに革新的なお酒だと思う。驚き。一時期の「酵母遊び」(©仙禽の杜氏さん)のようなところから抜け出して、ほんとに面白い酒を造る蔵がいくつか現れてきたと感じる。