Kentaro Kuribayashi's blog

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サム・ペキンパー監督「わらの犬」

わらの犬

映画の DVD を買い始めるとキリがないので避けてまわっていたのですが、なんか「わらの犬」の DVD が再発されてるのをついついサッと手に取ってしまい、そのまま購入。

んでもってさっそく何年かぶりに何度目かで観たわけですが、やはり最初観たときと同じような衝撃を受けたのでした。昔の日記ではよく書いていたことですが、僕がなんらかの作品を鑑賞する上でもっとも重要視することは、それがどれだけ自分の感情を揺さぶってくれるかということで、「わらの犬」を観ることはほとんど苦行というほうがいいような、心の底からムカツク、苛々する、なにものにも代え難い負の感情まくりなことなのですが、だからこそ素晴らしい。観てて、こんなにも腹が立つ映画は他にはあり得ない。「癒し」や「心地よさ」から考え得る限り遠くはなれた映画なのですよ、これは。てゆうかよ、芸術に「癒し」とかなんかしらんがそういうものを求めるなんて、俺(一人称が変わったのは俺の決意の表れだ!!!)は絶対に認めない!!! 芸術なんて感情が揺れ動いてなんぼのものだろう? 違うかい?

ところで、サム・ペキンパーの映画はどれもが「巨大な悪に虐げられた結果ブチギレて悪を皆殺しにする」という構造をもっているのですが、「わらの犬」はその中でも悪の存在ぶりが本当に、心の底からおぞましく、腹立たしい。しかし、ただ一方的に対立するだけではなくそこにスーザン・ジョージが大変にアレなかたちでからむことにより、もうね! なんともいえないつらい展開になるわけですよ! 具体的には、実際観ていただくしかないのですが、っていうか観ればいいじゃんすか!

ともあれ、やっぱり「わらの犬」が僕のオールタイムベストである事実は浮動不動であるということで決まり!