Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

"Thelonius Monk Quartet with John Coltrane - At Carnegie Hall" について

菊地成孔氏による CD ガイド『200CD 菊地成孔セレクション - ロックとフォークのない 20 世紀』を眺めていたら、こんな記述が目に飛び込んできた。

本書の対談が総て終わり、ゲラが出そろってこのコラムを書き始めるや否や、まるで総て見切られていたように「奇跡の音源」と呼ばれる、例のあの、モンクとコルトレーンの双頭カルテットによるカーネギー・ホールのライブ盤が発売された。

え?この本のあとがきに記載されている日付は今年の 10 月だから、あとがきを一番最後に書いたかどうかはわからないとしても、そのあたりの時期にそんな CD がリリースされてたの?まったくもって認識してなかった!あり得ない!!いますぐにでも、一瞬でも早くその CD を手に入れないと!!!
ってんで買いに走ったわけなんだけど、どうも腑に落ちない。そもそも僕がその情報を見落とすわけがないのだ。そんな重要な情報なら放っておいてもWeb 経由で目にするだろうし、あるいは僕自身が見逃したとしても、地元の CD 屋さんが僕の趣味を把握していてあれこれ教えてくれるので、その手の情報については漏らすことがあり得ない。もしかしたらすでに買ったのにそれを忘れてるだけかとも思い、買った CD はすべて iTunesリッピングするようにしてるので検索をかけてみたけど、見つからない。どういうことだ……。
店について実物を見て理由がわかった。東芝 EMI から出てる日本盤ってば、例の CD もどき(セキュアCD)じゃねーか!!!そうだ、リリース当初に CD 屋さんに教えてもらってたんだけど、CD もどきだからってんで買わなかった、というか買ったところで聴けない(CD 再生装置として iMac しか持っていないし、それ以外使う気もない)ので買えなかったから、湧き上がりかけた激しい怒りをうっちゃるべく、存在を記憶から抹殺してたよ!!!
つーか、最近 CD もろくに買ってなかったし、そもそも最近のコピーコントロール事情がどうなってるのかもしらなかったせいで激しくいまさらな反応になっちゃったけど、このセキュアCDとかいうやつ、激しくウザそうな存在じゃないか。

また、「音楽配信メモ Sony BMGのXCP-CCCD問題が大事になりそうな気配」でも疑問が呈されているように、

XCPと並ぶ「現在のCCCD技術」であるCDS-300(東芝EMIは「セキュアCD」だとか「フェアフリーダム技術」だとかふざけた名前をつけて問題から目を背けさせようとしてるけど)も、インストールするとPC上でCDリッピングをさせないようにするガードを勝手に埋め込むんだよね。こっちの方は技術的にどうなんだろ? マルウェアとは違う働きなのかな。

ってな事情があったりもして、ウザさ倍増。まぁ、実際問題、プロテクトは簡単に回避できちゃってあんま意味なさげではあったりするみたいなんだけど。
んでもって件の CD は、例によって日本盤と欧州盤は CD もどき、US 盤は普通の CD ってな二重基準でリリースされてるってなやり口で、つーか CCCD がどーのとか騒いでた時となんにも変わってないじゃないか、ってか、ますます状況はウザ化してるのね……とげんなりしつつ、US 盤を amazon で注文しておきました。