『ダメな議論』『秋の日は釣瓶落とし』『自分の小さな「箱」から脱出する方法』
- 飯田 泰之
- 筑摩書房
- 2006-11
- ¥ 714
- Book
世にはびこる、正しそうに見えるけど間違った議論・間違ってはいないけど意味のない議論・意味がない上に有害ですらある議論等を、それが正しいかどうかを素で判断するのは、素人にはなかなか難しい。そこで、チェックリスト方式を用いて、最低限それらを満たしていない議論は間違いなので検討に値しないと振り分けられることを目指して書かれているのが本書。いかにもありそうな「ダメな議論」が多数例示されていてわかりやすい。
反対に、詭弁のガイドライン等と同じく、「ダメな議論」をいかにも「ダメ」でなく見せる、つまり「説得術」の技術を磨くためにも使えます(そんなことではもちろん「ダメ」ですが)。
あとがきにも影響を受けた本としてあがってるけど、「ダメな議論」の理論編ともいうべき『ウンコな議論』や、上記「ガイドライン」形式で「ダメな議論」の見分け方を学ぶ実践編『論理で人をだます法』も面白い。
- アービンジャー インスティチュート、 金森 重樹、 冨永 星
- 大和書房
- 2006-10-19
- ¥ 1,680
- Book
「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 箱」にて
本書は、巷に数多にあふれている自己啓発本のタネ本。成功本における「地上最強の商人」や「道は開ける」であったり、マーケティング・交渉術における「影響力の武器」と一緒。新刊出しては印税稼ぐ人は、これらの種本をネタにして、せっせと今風の味付けをするという仕掛け。味付けが違うだけの新刊をたくさん読むくらいなら、原液をそのまま読んだ方がずっと効く。
と紹介されているのを読んで、そういうことなら、ってんで読んだ本。こういうのはまさに「説得術」なわけだけど、まぁ、よい心がけを持ちましょうというのは有用ではある(本書の内容を理解していれば、それを他人に押しつけることもないし)。
岡崎京子さんの、'92年の作品。