有料メルマガとか電子書籍について思うこと
先日のニコ生「メルマガの未来」は、最後の最後しか観れなかったので、どういう議論をしていたのか知らないのですが、そのへんについて、ひとりのハードコア本好きとして思うことなど。
有料メルマガがいいとか悪いとかどっちでもいい、というか、書き手から読み手へのチャネルが広がり、有料メルマガでも電子書籍でもなんでもいいけど、そういうのをやろうと思うひとが増え、また、それに比例して読者が増えるようなものになる分には悪いところはまったくないと思う(しかし川上さんがおっしゃっていたように、既にコンテンツの量が時間の総量を超えてしまっているという問題はあるけど)。とはいえ、自分では有料メルマガやんないなーというひと(仮に僕にコンテンツ価値があったとしても僕もやらないけど)は、
- 別に文章で稼ぐ必要がない
- メルマガ、というか、ネット上のみでのコンテンツだと、いくら電書とか有料メルマガという形態になったところで、ぶっちゃけ「本出しました」みたいな、ある種のアウラみたいなものがない
- なので、本を書くということでなければ、どっちにしろ名誉にもたいした金にもならないんだから、ブログに書いた方がいい(すごく儲かるなら別の話)
ということなんじゃないかと思うわけですね。有料メルマガがいくら読まれたとしても、紙の本を出しました、みたいなのの方が、現状ではステータスがあるわけじゃないですか。もちろん、それがいいことだとは思わないけど、現に多くのひとがそう思ってるだろうなあという話で。
ただまあ、そのへんは今後5年とかでKindleなどで読むのが一般化していったら変わってくるところはあるはずで、有料メルマガ界なり電子書籍業界なりは、出版社が売れもしないけど「良書」といわれるような本をちゃんとリスクとコストかけた上で継続していたからこそ、「本を出す」ということが(幻想であったとしても)社会的になんらかのステータスになったようなことを、長い目でやっていかないとならないのだろうなあと思うわけであります。
まあ、いずれにせよ、有料メルマガでも電子書籍でもなんでもいいけど、紙の本の権威を、よりリーダブルなデバイスが奪いとって、流通量がそちらに移動すること自体は歓迎なので、KindleでもkoboでもSony ReaderでもiPadでもなんでもいいけど、そういうデバイスが普及し、電子媒体で情報を、さらには教養を得ることができる未来が訪れて欲しいと思います。とはいえその世界は、ますますの英語による覇権の世界かもしれないとは思いはするけれども。
- 作者: 歌田明弘
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