Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

新刊『スクラム実践入門』の紹介、あるいは、日本のソフトウェア開発の夜明け

発端は確か一昨年のCROSSで、@hsbtさん、稲尾さんの間で話が盛り上がったのが最初だったと記憶しているから、あれから約2年、強力なメンバーで共同執筆した『スクラム実践入門──成果を生み出すアジャイル開発プロセス』が、いよいよ3/18に刊行される。 追記: 3/18に発売されました。 Amazonのリンクは以下。電子書籍をご希望の方は、版元のサイトで発売と同時に販売されるはずなので、そちらをお待ちください。

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

スクラムに関する類書は既にたくさん出ているし、それぞれに素晴らしい本ばかりで、いまさら屋上屋を架す必要もなかろうという気持ちがないではなかった。しかしそれでもなお、なぜ我々があえてこの本の執筆に至ったか。それは、スクラムの実践者としていまやそれなりの割合を占めるだろうWebサービス事業者としての観点から書かれた本がなかったからだ。では、その「観点」とはどういうことか。

  • Webサービスは、継続性をその特徴としている。すなわち、一度出せば終わりではなく、長い間価値を提供し続けるものである
  • また、求められる水準は年々複雑化しており、それを達成するための技術的な条件はいまや非常に専門家し、高度なものになっている
  • さらには、不特定多数のコンシューマ向けWebサービスでは顧客要求が不定であるため、何を作るべきかが常に変化し続ける

Webサービスの開発者は、上記のような環境下において、日々仕事をしている。そして、我々の経験によると、そうした現場でもまたスクラムは役に立ち得るものであると確信している。楽しくも、時に苦しみながら、しかし一貫してWebに夢を持ち続けていたのであればこそより良いサービスを目指して研鑽に勤しんできた我々の経験をひと通りとりまとめ、後続の踏み石となるべく、こうして一冊をものしたのだった。

上記の、共著者のひとりである原田勝信さんによるスライドにもある通り、第1章〜第5章の「理論編」、第6章〜第8章の「事例編」、そして第9章〜第12章の「あるある編」という内容で、スクラムに興味を持ち始めた方にはもちろんのこと、かなりの手練れにとってすらもなお、得るところの多い本になったと自負している。Webサービス開発に携わるすべての人々、すなわち、エンジニアやデザイナはもとより、ディレクターやマネージャーなどにとって、チーム開発の前提となる知識・ボキャブラリーを提供する本になるだろう。

我々も、独力でここまできたのではなかった。多くの先達に導かれてやってきたのだ。いまその恩を、この本の上梓をもって幾分かは返すことができたように思う。

日本のソフトウェア開発の夜明けが、いまここに始まる。

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)

スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)