村田紗耶香『消滅世界』
子供は人工受精によって作るもの、家族はその子供を育てるのみの、性的な欲望がほぼ完全に排除されているのが当たり前という設定の小説。
そうはいっても、すべての人間がそのように思えているわけでもなければ、それはそれで家族そのものの不要性や、同性婚だって別にいいじゃないかというもっともな考えもある。そんな人々の生き方はどうなるの?というのを描くことで、読者の無意識に揺さぶりをかける、思考実験みたいな話。
いろいろ思うところはそれぞれだろうけど、ふだんのなにげなさを揺さぶるためにも、読んでみてもいいかも。
- 作者: 村田沙耶香
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/01/08
- メディア: Kindle版
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