Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

なぜいまそれが盛り上がっているのだろうか

del.icio.usAPI を用いて作成された del.icio.us direc.tor の登場を契機に、mala さんが「XML はメタデータというより生データとしての利用価値が高まりつつあり、Ajax による UI の切り離しがそれを加速する」というエントリを書いていて、Web2.0 などと呼ばれもする昨今の潮流の前提となる考え方のひとつを解説しており、このところずっと継続して考えていた分野でもあったので、大変に興味深く読みました。

ところで、そのエントリに対して、こんな反応があったりもします。先に挙げた mala さんによるエントリは痛い文書あるいはたいした文章でもないのにブックマークが多いものであると断じ、この内容自体は普通なら読み飛ばすんだけど、何も考えずに信じてる人が多いので、ここはいっちょなにかいっておかねばという使命感にかられたらしく、以下の通り簡潔に、そのエントリの背景にあるとされる無知を、声高に暴き立てています。

XMLって最初からそういうものだってばorz

XSLTは最初からそういう目的で作られたものだってばorz

日記の生データをXMLで用意してHTMLで出力させることは自分が6年近く前にやってたことなんだよorz。結局Xalanが遅いのと自分でXML書くのがめんどかったので1年くらいでやめちゃったけど。

kitaの中の人のはてな日記 - サブアカウントを作成

まさか mala さんが XMLXSLT最初から想定されていたと引用文著者が主張する目的を御存知ないとも、日記の生データを自分でいてHTMLで出力させたことがなにかを意味していたのかもしれない6 年近く前の文脈でエントリを書いたとも到底思われず、不審な思いがしたのでした。

ところで6 年近く前などと述べられているのを見ると、AJAX breathes new life into Web apps | InfoWorld | Analysis | 2005-05-23 | By Peter Wayner にて、Brendan Eich 氏が以下のように述べていたことを思い出します。

Brendan Eich, the creator of JavaScript at Netscape (Overview, Articles, Company), says the world is just now discovering what he imagined back in 1995. He says, “We [Marc Andreessen and I] always intended JavaScript to enable client-centric apps that did not have to reload pages from a server.”

AJAX breathes new life into Web apps | InfoWorld | Analysis | 2005-05-23 | By Peter Wayner

確かに Ajax は 10 年前にすでに発想されたアイディアだったのでしょう。しかし、それがなぜ the world is just now discovering what he imagined back in 1995 な状況になってきたのでしょうか。それを考えることが僕にとっては面白い。「そんなの 10 年前に考えてたよ(ぷげら」と、Brendan Eich 氏はいいたかったのでしょうか。