Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

宮崎哲弥 + 川端幹人『事件の真相!』他

事件の真相!
  • 宮崎 哲弥、 川端 幹人
  • ソフトバンククリエイティブ
  • 2006-12-09
  • ¥ 1,575
  • Book

論座」で連載されてる、時評家・宮崎哲弥さんと、元「噂の眞相」副編集長・川端幹人さんによる、時事対論集。ここ一年のことなので記憶に新しいことばかりだし、へー、そういうことになってたんだー、ってな感じで、楽しく読みました。
タイアップの歌謡史
  • 速水 健朗
  • 洋泉社
  • 2007-01
  • ¥ 819
  • Book

日本初のレコードによるヒット曲にしてからがタイアップだったのだ!ってな話から現代まで、飽かせることなく一挙に読ませる面白本。80年代あたりからはもう懐かしくてなー。良書。
テレビ標本箱

うーんんんんんん……。正直、10p ぐらいで投げた。ちょっと、いまの気分には合ってないのかもなぁ。
結婚の条件

文庫化されたのを機に買って読み始めたんだけど、なんかなー。

二〇〇三年現在、世界で最も合計特殊出生率の低い国を順に挙げると、イタリア(1.15)、ドイツ(1.24)、そして日本(1.32)となる。これはどこかで聞いた組み合わせではないか。そう、第二次世界大戦の枢軸国三国である。かつてファシズムの国家体制によって、遅れていた近代化を一気に推し進めようとし、結果的に連合国に敗北した三ヵ国が、戦後五十年経って少子化に見舞われているのである。少子化は、政治における何らかの問題の予期せぬ結果だと考えるのが妥当である。日・独・伊は、戦前から女性に母性と主婦性を強要する国でもあった。その国で、女たちは結婚することと母になることに静かに反乱を始めているのだ。

(本書 p15 - 16 より)
と述べており、「はぁ、そうですか」と思った瞬間、その直後、文庫化に際して新たに付されたと思われる注釈が、

筆者注・この少子化ランキングは、二〇〇六年現在、一位香港、二位韓国、三位台湾に交替し、少子化は東アジアの現象となった。日本はイタリア、ドイツとは異なり、上位に留まっている

(本書 p16 より)
などと述べているため、「さっきのファシズムがどーのって話はどうなったんだ!」とずっこけまくるのだし(まぁ、文庫化に際してデータをアップデートしてるところは誠実だと思うけど)、また、ちょっと先に進むと、

平均出産年齢が二十八・二歳だからといって、産科にいる妊婦の年齢で一番多いのが二十八歳の人だというのは、平均値のトリックである。

(本書 p18 より)
とおっしゃるので、またも「はぁ、そうですか。じゃぁ、最頻値でも出してくださいよ」とか思ってたら、

今、産科に行けば「ものすごく若い妊婦」と「ものすごく年のいった妊婦」の二極分化が起っている。両者を足して平均値を出すと二十八歳になるというだけで、数字に騙されてはいけない。十代のママと四十歳前後のママがいて、「フツーの年齢のママ」は、探してもあまりいないというのが、特に都会での実態である。

(本書 p18 より)
「へー、そうなんだ……」って、おい!「平均値のトリックである」とかゆっといて、じゃぁ、そのトリックを暴くデータは出さずに、つまりは、二極分化についてなんの根拠も出さずに「特に都会での実態である」ですか……。
なんつーか、いきなりこんなことばっかりゆわれると、先を読む気が激しくそがれるよ……。確かに、なんだかよくわかんない政策をぶつより、未婚者の考える「結婚の条件」について考えるべきって論旨は、ひとりの未婚者として納得できるが(僕は男だけど)、だからといっててきとーなリクツに基づいてプロパガンダしていいってもんでもないでしょう。