藤本隆宏『生産システムの進化論』
経営史(『経営史講義』『経営構想力』、『「ものづくり」の科学史』)、トヨタの主査制度(『トヨタ自動車開発主査制度』、『トヨタの製品開発』)からの流れで読んだ。経営学者の書いた本で、知識を得るだけでなく「面白い!」と思える本ってほとんどなかったけど(数少ない例外としては、高橋伸夫『経営の再生』『殻』、楠木建『ストーリーとしての競争戦略』)、この本はとても面白かった。ここ最近ずっと考えてたことがてんこ盛り。自分自身の仕事についても、いろいろインプリケーションがあった。
藤本隆宏(1997)『生産システムの進化論 トヨタ自動車にみる組織能力と創発プロセス』有斐閣
生産システムの進化論―トヨタ自動車にみる組織能力と創発プロセス
- 作者: 藤本隆宏
- 出版社/メーカー: 有斐閣
- 発売日: 1997/09
- メディア: ハードカバー
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- 第I部 総論 トヨタ的システムの進化論的再解釈
- 第1章 研究目的と分析枠組み 企業進化論と技術・生産管理論の接点
- 第2章 トヨタ的開発・生産システムの競争合理的側面 静態的能力と改善能力
- 第3章 トヨタ的開発・生産システムの発生と進化 システム創発と進化能力
- 補章1 トヨタ自動車におけるフォード・システムの導入 創業期から1960年代まで
- 補章2 社会システムの実証分析への進化概念の応用について
- 第II部 各論 開発・生産・購買システムの機能と創発
- 第4章 日本の自動車部品サプライヤー・システム その構造と機能
- 第5章 「ブラック・ボックス」部品取引システム 承認図方式の期限と進化
- 第6章 製品開発のダイナミックな側面 能力の蓄積・純化・過剰使用
- 第7章 トヨタ新組立システムにみる組織内進化プロセス 事後的進化能力の役割と「現場主義」
- 終章 「日ごろの心構え」としての進化能力 結論と展望
藤本先生の『生産システムの進化論』を購入した。最近興味あるのは、この本でも書かれるだろう、スケール観と、経路依存性の話。
— あんちぽくん (@kentaro) April 21, 2015