Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

映画・音楽・文学のように不可欠なもの、あるいは Web の新作を心待ちにすること

たとえば蒼井優さん。

「高校3年のときに宝塚を受けたんですけれど、試験日が舞台の本番と重なって」断念。そして「この仕事をするまで見た映画は『ドラえもん』だけでした。岩井(俊二)さんの作品(リリィ・シュシュのすべて)が最初だったので、自然と映画の話が続いて…」と笑う。

なんという才能。蒼井優さんが画面の中で動いているというそのことだけで、涙が溢れてとまらないわけだし。蒼井優さんの新作は、常に、激しく待たれている。
はたまた菊地成孔さん。

「結論から言うと、冨永監督の最初の脚本と同じで、作り過ぎたわけね、音楽を。」(菊地成孔談)
「結論から言うと、このアルバムには作り過ぎたものすべてが、映画のプロットを無視して収録されているわけです。」(担当ディレクター談)

あんなに素敵な音楽を、あたかもはき捨てるかのように「作り過ぎ」てしまうこと。この世に流れる時間を、音楽で満たさねば気が済まないというかのように。菊地成孔さんの新作は、常に、激しく待たれている。
そしてはてラボ

はてラボは、はてなの正式サービスになりきれない実験的サービス置き場です。

  • はてなの本サービスにするにはちょっとネタ不足
  • はてなの本サービスにする前にどれくらい面白いか試してみたい
  • アイデアを思いついたのでとりあえず作ってみたい

といったものに形を与え、小さな可能性を大きく育てることを目標にしています。

昨日リリースされたはてなセリフを始めとする、小さな、素晴らしいサービスたち。はてなの新作は、常に、激しく待たれている。
Web2.0の定義なんてどうでもいいわけです。重要なのは、定義も定まらないまま現に存在するそれが、僕らにとってどういう価値をもたらすのかということ。Web2.0 とは、Web サービスを僕らの日常生活にとって真に不可欠なものにしていこうという世界的運動ではなかったか。映画・音楽・文学のように、真に不可欠なもの。
まずは「新サービス」という、なんだか業務的な響きのする言葉で呼ぶのをやめることだ。僕らはいま、大好きなアーティストの新作を期待するのと同様に、Web が素敵な新作をリリースするのを、常に、激しく心待ちにしている。