Kentaro Kuribayashi's blog

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サン=テグジュペリ『小さな王子』(野崎歓・訳)

光文社古典新訳文庫が半額セールをやっているので何冊か買ったうちの1冊。今回初めて読んだ。とてもよかった。特に、(多くのひとがそうであるだろうように)以下の一節に感嘆を覚えた。

そして王子は、キツネのところに戻ってあいさつした。

「さよなら……」

「さよなら。じゃあ、秘密を教えてあげよう。とてもかんたんだよ。心で見なくちゃ、ものはよく見えない。大切なものは、目には見えないんだよ」

「大切なものは、目には見えない」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。

「時間をかけて世話したからこそ、きみのバラは特別なバラになったんだ」

「時間をかけて世話したからこそ……」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。

「人間はこんな大事なことを忘れてしまったんだよ」とキツネはいった。「でも、きみは忘れちゃだめだよ。自分がなつかせた相手に対して、きみはいつまでも責任がある。きみはきみのバラに責任があるんだよ……」

「ぼくはぼくのバラに責任がある……」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。

その「バラ」とは、コンスエロのことなのだろう。

ちいさな王子 光文社古典新訳文庫

ちいさな王子 光文社古典新訳文庫