Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2019年11月15日

一日リモートワークの日。今日から、もっとも負荷の高い定例ミーティングのやり方を変更。あらかじめ決めたフォーマットにのっとってGitHub Enterpriseのイシューで報告する形にして、自分はそこにコメントを入れていって、進捗を確認したり、課題や障壁について解決を図っていったりする感じ。それでも全サービス分だと10以上の報告を読んでレビューすることになるわけだが、ミーティングの総時間を下回る時間でそれを終えられれば、時間的な意味で負担は減る。また、非同期にできるので自由度が高まる。また、文面に残すことで議論が明示的になるということもあるだろう(議事録はいつも取ってはいたけど、イシューのほうがコードそのものに参照張れたりするし)。

そのミーティングでまわしていた課題解決に関して、1年半以上やってきていろいろ見えてきた改善点などもたくさんあるので、より明文化を進めて全体の効率をあげていくというのもやっていく。そのため、しばらくはドキュメントを作っていくというのが主な作業になるだろう。その辺は、ある程度自分が主導してやっていくのがよかろうと思い、少しずつ書き始めていく。そうすることで、問題領域に対する自分の知見をまとめたり、正確な記載のためにあらためて勉強し直したり、そうしてできたものを効率的に広めたりすることができるだろう。

仕事を終えてそのまま『偉大な組織の最小抵抗経路 リーダーのための組織デザイン法則』を読み終えたところでKが帰ってきて、招待券をもらったというので、森美術館のバスキア展を観に行く。かなり混んでいる。絵を眺めていて、こういう「早世の天才」的なアーティストをいまだにありがたがるというのはよいことなのだろうか、また、こうやって死後に資本主義的なフレームアップをされることが本人にとって(もう死んでるとはいえ)、あるいは社会にとってどういう意義があるのだろうかみたいなことを考えたりもしたのだが、このようにたくさんの人々が、それぞれの観点で楽しんで経済が動いているという意味では意義のあることではあり、社会を良い方向に変えている一助なのではないかとも思う。しかし、その作品群の支持体の多様性にはあらためて単純に面白さを感じたのも確か。

肉!という気分だったので、そのままヒルズをあがってバルバッコアへ。とはいえそんなに食べられるわけでもないので、一通りまわってきたのを食べたらお腹いっぱいになってしまい、サラダをおかわりするぐらいが精一杯。ただまあ、お酒を飲まないので会計的には高くつくということもなく、肉をおなかいっぱい食べられたし、満足度は高いかも。最近、肉をお腹いっぱい食べてむやみに元気になるというのが自分の中で流行っていて、先日はジビエを食べまくったりしていたのだが、そういうテンションのときにまた来ようと思う。

麻布十番のガレージへ。数ヶ月ぶり2回目。やんちゃな感じの方々が多くて騒々しいが、それはそれで良い感じ。『柄谷行人浅田彰全対話 (講談社文芸文庫)』を読み終える。全対話といっても20〜30年前に行われた対談で、どれも既に読んだものの読み返しなのだが、当時とはまた違う印象を覚える。「偽善は少なくとも善を目指してる分マシじゃないか」みたいな話になる対談では、日本の民主主義=ホンネ主義よりも、統制的な理念としての自由主義のほうがずっといいし、マルクス的な共産主義だって本来はそうだったという話は、いまアクチュアルだと感じる。当時盛り上がり始めたポリコレへの浅田彰さんの、一定の留保を置きつつの評価についても、『「差別はいけない」とみんないうけれど。』後の文脈で読んでも、うなずけるところがある。