Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

2020年4月6日

せっかくなのでリモート環境をよくしようと思って、Macにカメラをつなげるべくキャプチャボードを買ったのだが、HDMIケーブルのピンを間違えたものを注文してしまっていて、一日休み。

なんかあれこれやっているうちにどんどん時間が過ぎていってしまう。リモートワークで家でやってる方が集中できているからそう感じるということなのか、単にやることが多くて、あるいは効率が悪くてそう思うのか。

購入した『行動データの計算論モデリング: 強化学習モデルを例として』を読み始める。非常に懇切丁寧に解説してくれていて、わかりやすい……。なんかこのあたりを勉強していくのがいいんだろうなあと思っているところ。また、個人的な興味もあって『計算論的神経科学: 脳の運動制御・感覚処理機構の理論的理解へ』を注文していたのが届いたところ。しかし、いますぐには読めそうにもない(能力的な意味で)。

ここ数日読んでいた『選択と誘導の認知科学 (認知科学のススメ)』を読み終えた。「認知科学のススメ」というシリーズで、現在10巻中4巻が刊行中のうちの1冊。サイエンスライターを「ファシリテータ」としていれることで、学術的な正確性を損なわずに、かつ、わかりやすくしているところが特徴。このシリーズ、ひととおり読んでみようかなあ。

Webマーケティングでもよく語られる、デフォルトの効果、オプトイン/オプトアウトによる選択行動の違いについてあれこれと研究事例が紹介されるのは、我々のような仕事をしている人々にはあらためて学ぶところが大きいだろう。また、プランA, B, Cみたいな感じで3つならべておくと真ん中が選ばれるという経験的に確からしい知見がある。そういうのをcompromise effectというそうな。すなわち、ひとは両極端の選択肢を「妥協=compromise」して真ん中を選択する傾向をいう。

一番おもしろいと思ったのは、最後のほうの著者の研究。ジョージア・オキーフの具象画とマーク・ロスコの抽象画を示して、好きな理由あるいは嫌いな理由を無理くり考えさせると、具象画の方はその考えによって選好が左右されてしまうという結果。これはどういうことを意味しているかというと、具象画に相対的に良きにつけ悪しきにつけあれこれいいやすいわけだが、そのことがかえって自分の選好を歪めてしまう。目につく直感的な理由をでっちあげることよりも、踏み込んでいうと、確固とした知識や技術に基づいて判断すること、また、他の人との対話により判断することの方が重要だということだろう。