Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

Reading Baton がまわってきたよ

しまけんさんから Reading Baton がまわってきた……ではなく、奪い取りました! 音楽は門外漢もいいところなのでこないだ書いた Musical Baton の回答はわりと大変だったのですが、本のことならいくらでも書けますよ!

そも Reading Baton とは……とかもうどうでもいいっしょ。さくさくっと始めますよ。つーか、amazon に書影がある本に限るという縛りを課してしまったがために、選定にかなり苦労しましたよ……。amazon さんは素晴らしいけど、やっぱ創設以前は弱いですね……。

お気に入りのテキストサイト(ブログ)

テキストサイト」という言葉が使われていたとき、僕はまだ Web を見ていなかったので、それがなんなのかわかりませんん……。かといって、お気に入りの Blog といわれてもなー、記事単位でしか読んでないので、ある Blog 全体としてどうのこうのとか考えないし……。強いていえば "Alpha Geek Tracker" かなぁ。単一の Blog よりもむしろ、Alpha Geek Tracker のように、おもろリソースを寄せ集めたものの方がずっと面白いですよ。そんなの当たり前じゃん! と思うでしょうけど、しかしそういうことであれば、そもそもこの設問自体が不毛だと思うなぁ。

今読んでいる本

最近はなかなか本をじっくり読む時間をとれず、また、読むにしてもどうしても実利を求めた読書が多くなってしまいがちで、悲しい感じです……。

金融広告を読め - どれが当たりで、どれがハズレか
  • 吉本 佳生
  • 新書
  • 4334033067
  • 2005/05/17
  • ¥1,260
  • 光文社

なんかいきなり色気のない本ですが。んでも、タイトルで騙されちゃいかんですよ。むしろ、これをワールブルク学派系イコノロジーの書物として読むことが、いま最も冒険的な知的実践なのです!(馬鹿)

新聞・雑誌に溢れる金融広告が、レイアウトや文面を工夫に工夫を重ねて織りなすレトリック(騙しのテクニック)を、ひとつひとつ読み解いていこうってな、面白本。

好きな作家

好きな作家つっても、わりと「いかにも」なのが多いですが。

石川淳
普賢・佳人
  • 石川淳
  • 文庫
  • 4061963201
  • 1995/05
  • ¥1,029
  • 講談社

いつまでたっても新しいし、美しいし、なによりまして面白い。このひとの文章は、もっとも読んでいて気持ちよく体の中に入ってくる感じがします。

菊地成孔
スペインの宇宙食
  • 菊地成孔
  • 単行本
  • 4093874654
  • 2003/09
  • ¥1,785
  • 小学館

音楽家としてはもちろん、いま最も美しい文章を書く文筆家として、敬愛しております。

島尾伸三
ひかりの引き出し

美しい写真と、それにも増して(というとアレかもしれないけれど)美しい文章。異様に鮮明な記憶と、それをつづるねちねちした文体がたまりません!

蓮實重彦
反=日本語論
  • 蓮實重彦
  • 文庫
  • 4480020438
  • 1986/03
  • ¥693
  • 筑摩書房

ちょっとそこら辺を知っているひとに限って、取り巻きを馬鹿にする勢いが余って、ろくに読みもしないで蓮實重彦やその読者を馬鹿にしがちという不毛な状況が続いたわけですが、いまこそ虚心坦懐にその圧倒的面白さに触れるべきですよ!

よく読むまたは、思い入れのある本
パウンド詩集

Ezra Pound の詩の何がいいかって、この豊穣な美しさ。激しいエモーションを以て、膨大な歴史、言葉、イメージを織り込みまくった巨大な詩。ちまちました書き物とか、ほんとどうでもいいよ。Web が存在をはじめて、ますますパウンドの重要性は盛り上がりまくってるって感じ。どこかで鹿島茂氏が、高山宏氏の文体におけるパラディグマティックな広がりを指摘していたけど、Web こそそういった表現にふさわしいのではないかと思います。

彼自身による ロラン・バルト

この本を、これまで何度読み返したことか。ことあるごとに本棚から引っ張り出し、思いのままにページをくり、ただだらだらと意味もなく視線を流す時の心地よさ。

シチュアシオン?ポップの政治学
  • 上野俊哉
  • 単行本
  • 4878932465
  • 1996/02
  • ¥2,854
  • 作品社

いわゆる思想書には、ニューアカと呼ばれもしたひとちを中心にずいぶんと影響を受けたけど、もっとも強く感銘を覚え、また、いまもずっと変わらず維持し続けている思想とは、この本から受け取った「ポップの政治学」にまつわるものだったのかもしれない。このブログ antipop にもその残響は感じ取れるはず(直接的には、Antipop Consotium から取ったんだけど)。

情報の歴史?象形文字から人工知能まで
  • 編集工学研究所
  • 単行本
  • 4871884430
  • 1996/04
  • ¥5,607
  • NTT出版

これもまた、目的もなく、いきあたりばったりに開いたページをただ興味の赴くままにたらたらと流していく読み方が気持ちいい書物。

テクノスタルジア?死とメディアの精神医学

ジル・ドゥルーズへの追悼文にして究極の思想的美文「ちょっとキスするだけだから」を白眉とする、青い美しさの固まりのような本。香山リカさんがその後どんなにだめな本ばかりを書こうとも、この本を書いたことにより、すでにして歴史的。

この本は手放せません!
プログラミングPerl〈VOLUME1〉
  • ラリー ウォール + ジョン オーワント + トム クリスチャンセン + Larry Wall + Jon Orwant + Tom Christiansen + 近藤嘉雪
  • 単行本
  • 4873110963
  • 2002/09
  • ¥5,565
  • オライリー・ジャパン
プログラミングPerl〈VOLUME2〉
  • ラリー ウォール + ジョン オーワント + トム クリスチャンセン + Larry Wall + Jon Orwant + Tom Christiansen + 近藤嘉雪
  • 単行本
  • 4873110971
  • 2002/09
  • ¥4,935
  • オライリー・ジャパン

ベタだけど、いま「手放せない本」といったらこれ以外にないでしょ、という感じw

次にバトンを渡すヒト3名

Web で書き物している方で、最も尊敬している読書家の猪川まことさんに受け取っていただけたらなーとかなんとか。あと 2 名は……もういいじゃんすか。