Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

蓮實重彦・著『「赤」の誘惑』他

「赤」の誘惑―フィクション論序説
  • 蓮實 重彦
  • 新潮社
  • 2007-03
  • ¥ 2,520
  • Book

蓮實重彦先生の新作評論。げらげら笑ったり、すげーすげーとうなったりしながら、こんな一節にいきなり一発食らわされたりするのだから、ほんと油断ならない。激烈に面白い。

実際、代助は、フィクション的な存在として、『それから』をフィクションとして成立させている論理の中に身を置き、「不動」/「運動」、「目を閉じる」/「目を開く」、「無色」/「有色」、「雑色」/「一色」、「青」/「赤」という五つもの対立軸の後者ばかりを周到に選択している。「運動」、「目を開く」、「有色」、「一色」、「赤」という一貫した選別の確かな主体として、ここでの登場人物はいささかも「狂気に触れあわん」とはしていない。そのとき見落としてならぬのは、代助が―というよりここでは作者としての夏目漱石はとすべきだろうが―フィクションだけに許された論理的な徹底性をもって、「運動」、「目を開く」、「有色」、「一色」、「赤」の系列を作品に導入しているという事実にほかならない。そして、最終的な「赤」にたどりつくこの論理的な徹底性は、いささかも現実の模倣的な再現ではないのである。

『「赤」の誘惑』p.151より


2006年12月21日に行われたPerfumeのライブの模様を収めたDVD。個人的には、Perfumeの音楽はなにものにも代え難いほど好きだけど、ルックスは別に……という感じなので、ライブとか見てもなーって感じだったけど、まぁ、それなりによかった。ただ、1stアルバム的な曲以外の、アイドルポップ的な曲は全然のれないなぁ。あと、写真集的な体裁になっているのは、単にひたすら邪魔なだけだとか思いつつ、うちには写真集もたくさんあるので、そこにつっこんでおけば全然邪魔じゃなかったり。

DCPRGの新譜。ちょっとのれなかったかなぁ……。
Complete
  • 高柳昌行 ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アート
  • doubtmusic
  • 2007-03-11
  • ¥ 2,310
  • Music

高柳昌行さん率いるニューディレクションのライブを収めたCD。高柳再評価、まだまだまだまだアツイみたいです。つか、このCDでも聴かれる「帰れ!」コール。高柳に限らず、この時代のこれ系ライブでは、帰れコールに負けずに演奏しきったことが美談になったりするひとがたくさんいるわけだけど、ほんと団塊の世代って最低だよね。おまえらこそ、いま、即座に土に返ってほしい。
cendre
  • fennesz + sakamoto
  • エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ
  • 2007-03-28
  • ¥ 2,200
  • Music

坂本・ロハス・龍一さんが元mego在籍のfenneszさんと組んでリリースした新譜。まぁ、それなりに聴けるけど、正直いって退屈です。90年代からしても、ずっと後退してると思うんだけど、どうなんすかこれ。

以前、PS2版を買って、10分ぐらいやって放置してたのだけど、DS版が出たってんで、DSには操作的に合いそうなのでとりあえず購入。そして、5分ほどやった後、放置中。

動物化するポストモダン』の続編ってな位置づけだけど、今作はまぁ文芸批評の本になっちゃったなぁ。いやまぁ、それだけに非常に明快に整理されていて、頷くことしきりだったわけだけど。そして、それを完全に理解してこそ/なお、ポストモダン実存主義に反対したいものですね。

NHKラジオ「ビジネス英会話」がネット配信されてる!ってんで、さっそくテキストを購入。素晴しいなぁ。是非ともみなさん利用しまくって、他の番組もどんどんネット配信してくれるよう働きかけようじゃありませんか!
涼宮ハルヒの分裂
  • 谷川 流、 いとう のいぢ
  • 角川書店
  • 2007-03-31
  • ¥ 540
  • Book

涼宮ハルヒシリーズ9作目となる新作。まぁ、6月に出るという後編の前フリなので、いまいち物足りない感じではあるけれど、まぁ、こんなものじゃないでしょうか。とかいいつつ、全巻読んでるわけだが。とはいえ、「佐々木さん」登場にからめてわざわざ叙述トリックをしかけたのは何故?といったあたりをちゃんと回収してくれないと、本を投げることになるだろうのは必至な情勢です。

つい目に付いてしまったので購入した。まだ冒頭の大塚英志中塚圭骸香山リカ氏の弟)両氏の対談と、上野俊哉氏の「転回のメタル/メディアスーツ」の他は、ぱらぱらめくってみただけ。ニートがどーのとかいうのは、親の世代を含めた階級闘争なのだという大塚さんの指摘はその通りだし、ほんとみんな闘争した方がいいよ。

情報量とエントロピー/チャネル/有限オートマトン/参照の局所性を軸に、コンピュータについての考え方基礎を明快に説明していて、特に有限オートマトンのところなど、やべーやべーとかいいながら読み耽っていた。激烈に面白い。僕同様、コンピュータの素人の方に超オススメ。
M2:ナショナリズムの作法

宮台・宮崎両氏によるM2最終刊。なんかどんどんついていけない感じはするけど、「何度か挑戦してだめだったら諦めてリスペクトしろ!」という宮台氏の言葉に、そうしようと改めて意を決したりw
俺はあやまらない
  • 福田 和也
  • 扶桑社
  • 2007-03
  • ¥ 1,680
  • Book

文芸誌「en-taxi」の連載を書籍化したもの。「en-taxi」っていつからか読まなくなったんだけど、ここに収録されている文章はわりと読んでるなぁ。福田氏に同調するかどうかは別として、ここ最近はウェブとかコンピュータのような酷く即物的なものにばかり触れていなかったため、もういちど文芸に取り組んでみるのもいいかもしれないとか思う。
我らクレイジー☆エンジニア主義

ひたすらすごいひとたちだなぁと、発奮させられるというよりもむしろ、その熱気・才能にあてられて、うんざりという言葉が近い状態になる。まぁ、普通に面白いです。
生きていることの科学
  • 郡司 ペギオ-幸夫
  • 講談社
  • 2006-06-21
  • ¥ 798
  • Book

最近生命科学(っつーの?)的なお話に興味を持つようになってきたので、その過程であれこれ読んでみたいと思っている。その中で出会った一冊。まだ始めのあたりを読みかけている状況なのだけど、なんかもう、独特としかいいようがない議論の展開に、かなりとまどっています……。
ところで、郡司 ペギオ-幸夫という変わった名前の由来については、茂木健一郎氏が以下のように書いている。

「ペギオ」というのは、郡司の子供が生まれた時に、奥さんに「あなた、何にもしないんだから子供の名前くらい考えてください」と言われ、「それじゃあペンギンにする」と郡司がいい、「それだけはやめてください」と言われたので仕方なく自分につけた、と聞いたことがあるが真偽は定かではない。

茂木健一郎 クオリア日記: 唐茄子屋ペギオ


'96年刊行のこの本は、学生の頃に図書館で借りて耽読した記憶があるのだけど、突然読み返したくなったので、購入。ほんともう、文芸に耽読して生きていきたいものだ。社会のことなど、どうでもよい。

退屈だったかなぁ。
BIOMEGA 1 (1)
  • 弐瓶 勉
  • 集英社
  • 2007-01-19
  • ¥ 620
  • Book

BIOMEGA 2 (2)
  • 弐瓶 勉
  • 集英社
  • 2007-01-19
  • ¥ 620
  • Book

思うところあって、というか、単に置く場所や金を食うのがイヤだという理由で、今後は漫画をできるだけ買わないようにしようと決めたのだけど、弐瓶勉さんの漫画は、数少ない例外のひとつ。弐瓶さん最高。大好きな漫画家です。
進化しすぎた脳
  • 池谷 裕二
  • 講談社
  • 2007-01-19
  • ¥ 1,050
  • Book

神の領域に達した面白さ。奇跡。あと100回読む。
How to Read Lacan (How to Read)
  • Slavoj Zizek
  • W W Norton & Co Inc
  • 2007-01
  • ¥ 1,479
  • Book

スラヴォイ・ジジェクによるラカン入門。ぼちぼち読んでる。
暗算の達人
  • アーサー・ベンジャミン、 マイケル・シェルマー、 岩谷 宏
  • ソフトバンク クリエイティブ
  • 2007-02-28
  • ¥ 1,575
  • Book

finalvent氏が言及していたので購入。未読。
計算力を強くするpart2
  • 鍵本 聡
  • 講談社
  • 2006-12-20
  • ¥ 840
  • Book

『計算力を強くする』シリーズ2作目。未読。
神を見た犬

かなりとアツい光文社古典新訳文庫、今月の新刊。未読。
みんなのPython
  • 柴田 淳
  • ソフトバンククリエイティブ
  • 2006-08-22
  • ¥ 2,940
  • Book

なんかの時に、暇つぶしのために買った。どんなもんなのか知っておきたくもあるので。