RESTが日本で受け入れられていった頃の話( #mozaicfm の補足)
mozaic.fm第7話のRESTの話で、RESTが日本で広く受け入れられていった頃、というか、その端緒の頃の話が出ていて懐かしかったのだし、細部にやや不正確なところがあるのが気になったりもしたので、補足を書いておきますね。
まず、いわずとしれた@yoheiさんがRESTをまず知ったのが2003年とかそれぐらいの時期とおっしゃっていて、それから数年経ち、RESTがWebエンジニアに広く受け入れられていったのは、2007年末にリリースされ、resourcesという機能を取り入れたRails2からというのは、@t_wadaさんがおっしゃっている通り、事実だろうと思います。
また、Podcastの中では、主催のJxckさんが、それはそれと認めた上で、彼自身にとってはAjaxの登場が大きかったということを述べた上で、@yoheiさんの主催された第八回XML開発者の日での高橋征義さんとid:secondlifeの話が語られるわけですが、日本での受入の端緒の情景としては、Jxckさんの回想に同感を覚えます。
ただ、若干時間の感覚にズレがあって、Podcastの中でAjaxの文書が2006年だと述べられていたけれども、それは2005年の2月で、さらには前述の「第八回XML開発者の日」はその年の11月にあって、わりと早い時期から日本のWeb開発者はRESTを受け入れていったわけです。
なんで僕がそんな細かいことをいちいち憶えているかというと、
- そもそもそのAjaxの文書、すなわちAjax: Webアプリケーション開発の新しいアプローチを訳したのが僕であったから
- その前後から、当時ニートだったmalaや、まだはてなに入る前のセコンさんらと、IRCの某チャンネルで、AjaxによってREST APIでプログラマブルなAPIとHTMLな表現のためのエンドポイントとを一本化できるねといった議論を行っていたから
といったことがあったからなわけです。その頃の様子は、たとえばこのブログの以下のエントリに記されている。
その流れから発して、以下の様な文書を書いたりした。
その頃のアツかったWeb界隈の動きがtumblr 創世記 その四 (ヤバイ、JavaScriptマジヤバイ の巻) - tumblr - たんぶら部 - Tumblove -にまとめられていて、懐かしい思いを感じる。
日本でのRESTの受け入れには、JavaScript界隈の動きが大きく関わっていた。なぜなら、Ajaxが現れたことで、フロントエンドとバックエンドとの区別が意識されることになり、そのことでRESTというアーキテクチャスタイルの存在が浮かび上がってきたからだ。少なくとも、僕の見ていたところでは、そういう流れであったように思える。
というわけで、別になにかのオリジンを主張したいわけではなくて、そういうことがあったなあという、Webおじさんの昔話でした。