Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

藤本隆宏+キム・B・クラーク『増補版 製品開発力』

藤本隆宏『生産システムの進化論』をさらにさかのぼって、この本を読む。Webサービスの外延がモバイルや、さらにはIoTのようなところに広がっていくのに際して、我々のサービス開発はますます自動車産業の80〜90年代をなぞっていっているように思える。そういう意味で、非常に重要な示唆をたくさん得られた。

また、昨今その必要性が喧伝されているプロダクト・マネジャーについても、Web業界からみて他との比較の相のもとに役割を知ることができるという意味でも、最良の書でもあるだろう。このような重量級の学術書を読むことの意味については、GMOペパボの「あんちぽくん」が、悩める作り手に学術書を勧める理由【連載:エンジニアとして錆びないために読む本】 - エンジニアtypeに述べたので、読まれたい。

【増補版】製品開発力―自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究

【増補版】製品開発力―自動車産業の「組織能力」と「競争力」の研究

  • 日本語版への序文 - 2009年の時点で
  • 日本語版への序文 - 1993年の時点で
  • 序文および謝辞
  • 序章 21世紀の自動車産業と製品開発力
  • 第1章 製品開発と新たな企業間競争
  • 第2章 研究の基本的枠組み - 情報の観点から
  • 第3章 世界の自動車産業における競争
  • 第4章 パフォーマンスの尺度 - リードタイム・品質・生産性
  • 第5章 製品開発のプロセス - 製品コンセプトの創出から市場導入まで
  • 第6章 プロジェクト戦略 - 複雑さへの対応
  • 第7章 製造能力 - 隠れた優位性の源
  • 第8章 問題解決サイクルの連携調整
  • 第9章 リーダーシップと組織 - 重量級のプロダクト・マネジャー
  • 第10章 効果的な製品開発パターン - 部分と全体
  • 第11章 製品開発の将来 - 競争・ツール・優位性の要因
  • 第12章 自動車産業を超えて - 結論と展望
  • 付録
  • 参考文献