Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

文芸

ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』

温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』を読んだ流れで、複数の言語を使って文章を書いている作家への興味が再燃してきたので、購入して読んでみた。 ジュンパ・ラヒリの場合は、両親の言語はベンガル語で、社会的には英語を話し、また英語によって作家としての名…

東山彰良『流』

「Pen+ 台湾カルチャークルーズ」にも紹介されていた、今年上半期の直木賞受賞作を読んでみた。1970〜80年代の台湾を中心に、日中戦争からの因縁、台中関係などの歴史的背景に基づく台湾にくらす人々の機微を織り込みつつ、エンタメ的にぐいぐい読ませる小説…

『たまらなく、アーベイン』というタイトルの謎

『なんとなく、クリスタル』の33年後を描いた新作『33年後のなんとなく、クリスタル』が刊行されたかと思いきや、あの『たまらなく、アーベイン』が『33年後〜』の色違いのような装丁でもって復刊された、しかも中公文庫版でなぜか改変された『僕だけの東京…

深町秋生・著『果てしなき渇き』

果てしなき渇き (宝島社文庫)作者: 深町秋生出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2007/06メディア: 文庫 クリック: 45回この商品を含むブログ (77件) を見るその著者の名前が気になってはいたものの(はてなダイアリユーザでもあるし「深町秋生の新人日記」)、…

猪瀬直樹・著『作家の誕生』

作家の誕生 (朝日新書48)作者: 猪瀬直樹出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/06/13メディア: 新書購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (27件) を見る次期東京都副都知事に就任することになった猪瀬直樹氏による『作家の誕生』を読んだ。同名…

英語の本と龍膽寺雄の小説

℃-ute にハマったせいで、ここ 2 週間ほどハロプロ情報を調べまくったので、飛躍的に知識が増大し、もういいやという感じ。なので、とりあえず土日は "Practical English Usage" でもちょろちょろ読んでみようかとかいう予定。 英語の教科書を読む行為って、…

杉山茂丸の本

「週刊新潮」の福田和也氏のコラムを読んでいたら、杉山茂丸の書籍が紹介されていた。 杉山茂丸とは、作家・夢野久作の実父で、明治・大正・昭和の政官財に影響を及ぼしたフィクサー。其日庵を名乗り、文筆にも活躍した(杉山茂丸関係文献リスト)。このうちの…