Kentaro Kuribayashi's blog

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Eric Dolphy "Stockholm Sessions"


エリック・ドルフィが、コルトレーンのバンドに加入する直前の 1961 年に、ストックホルムで吹き込んだセッションを収めた "Stockholm Sessions" は、まさにドルフィの真骨頂って感じ。
それこそフリージャズなんてジャンルもあったりするジャズとは、確固たるフォームを持ちながらも並外れて自由を希求するジャンルなのだけど、その中でもとりわけドルフィの演奏は、自由闊達という言葉がふさわしいだろう。そしてなんといってもあの音色の美しさ。かつて浅田彰氏が、中上健次の小説はアイラー的というよりもむしろ、自由に空を舞う小鳥のようなドルフィ的なものだとかそんな感じのことをいっていた記憶がある(本棚を探したけど、ソースが見つからない……)けど、まさに至言であると、両者のファンとして強く思った。
ところで、ライナーノーツで言及されているのだが、おそらくはこの CD におさめられているのと同時期に収録されたとおぼしきセッションの模様が、わずか数十秒程度とはいえ、いくつか YouTube 上で観ることができます

本作はそんなドルフィが 1961 年の渡欧時に、スカンジナビアで演奏を行った際に TV プログラムのために録音された貴重な音源だ。番組が収録された記録はあるのだが、未だにそれが DVD やビデオとして出回ったことはない。が、インターネットの発達した世の中でよかった。YouTube.com で何とその時の演奏が拝見できるのだ!

というわけで、どういう経緯で映像が流通しているのかはわからないものの、ジャズファン的にはほんと大変なことになっちゃっているわけですw