Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

「エンジニア実績システム」を導入した

はてなさんの「実績を解除してエンジニアスコアを上げろ!はてなのエンジニア実績システムのご紹介 - Hatena Developer Blog」というエントリにある「エンジニア実績システム」がすごくいいなと思ったので、うちの会社でも導入してみました。

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「実績」について

上記のエントリに紹介されている項目を取捨選択した上で、以下のようなものを追加したりしました。

  • プライベートでWebサービスを運営する(Paas or Shared Hosting, VPS, IaaS, 自宅サーバ)
  • プライベートでモバイルアプリを公式ストアへリリースする(ダウンロード数)
  • GitHubの年間アクティビティ数(100, 500, 1,000, 3,000)
  • 勉強会の開催
  • 修士号取得
  • 博士号取得
  • 論文誌への論文掲載

また、後述する「意義」に沿うよう、追加すべき「実績」を募集し、内容を更新しています。

ソーシャル要素の追加

また、多くのエンジニアを巻き込むためにソーシャル要素を高めようと、実績を解除するとApps Scriptを使ってSlackに通知されるようにもしてみました。

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現在のコードの都合上、同じ項目でも何度も更新すると何度も通知されるけど、まあそのあたりは気にしない感じで。とはいえ、みんながどんどん書き込んでいる現状はちょっとウザイので、別チャンネルに退避中。記入が落ち着いたら、みんながいるチャンネルに戻すつもりです。

このシステムの意義

このブログでもたびたび述べてきましたが、ペパボには「エンジニア職位制度」というものがあり(「エンジニア専門職のグレードについて詳細な役割定義は必要か?」などを参照のこと)、その中で評価基準のひとつとして「アウトプット」を定めています。これはこれでよいのですが、上位の職位を目指す人びとにとっては「アウトプットが重要なのはわかるが、何をやったらいいんだろう?」という疑問もあり得ます。

そこで、この「エンジニア実績システム」により、エンジニアのアウトプットを可視化することで、

  • 現状、「実績」が少ないひとが、この先どのようにアウトプットをしていけばいいかという指針になる

というメリットがあるように思いました。また、上記に合わせてエンジニア組織全体として見た場合、

  • 会社全体の、現状の技術ポートフォリオを可視化できる
  • その上で、ポートフォリオに足りていない「実績」を組み込むことによって、組織能力の全体的な向上を図ることができる

というわけで、「組織能力を圧倒的に成長させること」で述べたような内容への、具体的なツールとしても使えるんじゃないかと思ったりしました。

まとめ

というわけで、いろいろと面白いので、みなさんの会社でもやってみるとよいかと思いました。