Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

マネジメント

首都大学東京ビジネススクール不合格記

首都大学東京ビジネススクールの2014年度入学試験を受験し、不合格となりました。本エントリでは、この日をもって終わった久々の受験生生活をふりかえります。 受験の経緯 このブログでしばしば書いている通り、去年は勤務先でスクラムを導入したりしていま…

リーダーシップを発揮するのは誰か?それはどのようにして可能となるのか?

一般に「リーダーシップがあるひとをリーダーと目する」と考えられているのとは反対に、公式組織上の役職はリーダーシップを不要にする。正確には、リーダーシップがあるから役職につくのではなく、役職がリーダーシップを根拠付けるのである。 そもそも、い…

情報共有の必要性について

本エントリは、社内向けに書いた記事を公開するものです。 なぜ情報共有するのか みなさんご存知の通り、コーポレートサイトにて、以下のように謳われています。 意見やアイデアは、ミーティング、社内SNS、メールなどで積極的に発言しましょう。不採用かも…

『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』

訳出が待望されていた『Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン』が刊行されたので、さっそく購入して読みました。 この本は、ひとことでいうと組織変革を試みるひとへの手引です。組織には歴史や慣性などもあって、た…

ジェネラリストについて

専門を極めるとか職人技を鍛錬し続けるとかにすごく憧れつつもついついあれこれ手を伸ばしちゃって、よくいえばジェネラリストなんだけど、まあ普通にいって器用貧乏みたいな感じになっちゃうのは、性格的な問題もあるのでしかたないのかもとは思うけど、こ…

アジャイル開発プロセスの組織論的文脈における研究の現状

アジャイル開発手法の採用による影響についての論文について、日本語論文についてCiNiiを、英語論文についてはGoogle Scholarを検索して調査した。主に、以下の通り分類できる。 品質管理に関するのもの 生産性に関するもの 生産管理手法としての他プロセス…

本社機能としての投資家的機能を社内市場へ移譲することについてのメモ

Twitterにメモっておいたものを、こちらにも貼り付けておく。 まず第一に、Webサービスというポジショニングの取りにくい競争構造においては、資源ベースの競争優位を確立する必要がある どうやってそれを確立するかにはいろいろ方法があるだろうが、ここで…

組織論としてのスクラムについて

アカデミックな組織論に位置づける感じでアジャイル開発プロセス(特にソフトウェア開発プロセスとしてのスクラム)について書いた研究について知りたい。 ここ2ヶ月、組織論周りの教科書や研究書、それらを学者たちが一般向けに咀嚼して書いた本を集中的に数…

「Webサービスのようなプロダクトについての議論について教えて下さい」補遺

Webサービスのようなプロダクトについての議論について教えて下さいというエントリを書いたのには、いくつかモチベーションがある。中でも、大きな論点のひとつであるOSSを利用した事業戦略について、それらを列挙する: Web2.0からもう10年近く経ってるので…

WEB+DB PRESS Vol.78「特集・実践 スクラム」に寄稿しました

このブログでもこれまであれこれと書いている通り、今年は勤務先でスクラムの導入・普及を行っていました。その過程で得られた知見を共有することで業界の発展に寄与したいと考え、今回の寄稿となりました。 WEB+DB PRESS Vol.78作者: WEB+DB PRESS編集部編,…

Webサービスのようなプロダクトについての議論について教えて下さい

このブログを提供している「はてなブログ」もそうであるような、一般ユーザ向けのWebサービスのようなプロダクトについての議論を知りたいんです。ここでいう「Webサービス」とは、以下のような特徴を持っているものをいいます(これが全部ではないですが、少…

アジャイル開発プロセスの実証的効果検証について

これまでこのブログであれこれ書いている通り、今年は勤務先の有志によりスクラムが大規模に導入され、様々なひとたちの協力と粘り強い実践のおかげで、徐々に定着しつつある。当初の理想のようにはうまく行かないことも多かったけれども、もっとよくしよう…

組織パターンを実践する

先日(10/30)「ジム・コプリエン (James O. Coplien) : Advanced Scrum - 組織パターンでScrumを微調整する "Scrum Fine-Tuning using Organizational Patterns」という研修 + ワークショップに参加しました。先日刊行された『組織パターン (Object Oriented …

野中郁次郎・他『失敗の本質』

毎月、その月に読んだ本をリストアップしてまとめるという作業を行ってはいるものの、それらの本ひとつひとつについて書くということはしておらず、読んだはしから忘れてしまうのはよくないので、短くてもいいからなにかしら書き残していくようにしようと思…

「WEB+DB PRESS Vol.75」特集「継続的Webサービス改善ガイド」の紹介

同僚の@hsbt, @lamanotrama, @tnmt, @atakaPとともに、今月22日発売の「WEB+DB PRESS Vol.75」に寄稿しました。「複雑性の増大と環境の変化に対応する継続的Webサービス改善ガイド」と題して、第1特集を張っています。 WEB+DB PRESS Vol.75作者: WEB+DB PRES…

Webサービスにおける費用対効果

コードを書いたり機能を追加したりせずにお客さんが増えたり儲かったりするなら、その方がいいことは自明である。コードや機能が増えることはシステムの複雑性を増加させるため、当初の開発工数という意味におけるコストだけでなく、将来にわたってコストが…

Growth Hack(グロースハック)における3点の特色について

昨年(2012年)半ば頃からGrowth Hackという言葉が流行し始め、海外はもとより、日本においても先日Onlab [Growth] Hackers Conference 2013というイベントが開催されるなど、ますますの盛り上がりを見せています。本稿では、Growth Hackの何が新しい(あるいは…