Kentaro Kuribayashi's blog

Software Engineering, Management, Books, and Daily Journal.

読んだ

山下良道『本当の自分につながる瞑想入門』

藤田一照・山下良道『アップデートする仏教』の著者のひとりによる瞑想指南。著者独自の「青空」という概念についての説明ののち、瞑想のしかたについても詳しく語られていて、実践的。『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え…

『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』

簡便そうだったのでKindle版で買って読んだ。頻用されるフレームワークについてまんべんなく紹介されている。また、1フレームワークにつき、解説と事例紹介とで4ページにおさめてあるのは、読みやすくてよいだろうと思う。4章の会計・ファイナンス編は、この…

中原淳『経営学習論:人材育成を科学する』

『職場学習論―仕事の学びを科学する』や『企業内人材育成入門』など、中原先生の本はあれこれと読んでいて、勉強になると同時に実践的にも非常に役立っているのだが、この本はまだちゃんと読んでいなかったので、あらためて読んだ。 「学習」というのは、経…

野嶋剛『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』

台湾ブームが再燃しており、台湾映画をもっと見ていこうという感じになっていたところ、ちょうど今年の頭にいわゆる「国片映画」ブーム以降の映画を紹介しつつ、台湾社会・文化について語るというこの本が出ていたので、さっそく買って読んでみた。 各章での…

谷口忠大『ビブリオバトル』

谷口忠大『イラストで学ぶ 人工知能概論』を読んだ時に、その著者が「ビブリオバトル」の創始者であることを知って驚いたのだったが、この本もようやく読んでみた。「ビブリオバトル」についてはあちこちで紹介されていたので知っていたのだが、この本ではル…

入山章栄『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』

著者の前作『世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア』も刊行当時に読んで面白かったのだが、最近はHBRやWebメディアなどで精力的に論考を発表しているのを面白く読んでいたところ、それらをまとめたらしい本書が刊…

阿古真理『小林カツ代と栗原はるみ』

気になっていた本だったのだが、ようやくKindle化されたので買って読んでみた。タイトルは小林カツ代と栗原はるみだが、実際には戦後の料理研究家の系譜と、その時代背景を述べた本。単純に料理雑学としても面白いし、戦後の女性の位置づけの変化を述べたも…

リー・クアンユー『リー・クアンユー回顧録(上) ザ・シンガポールストーリー』

長らくプレミアがついて中古価格が高騰していたリー・クアンユー回顧録だったが、たまたま上巻が2,500円ほどで出ているのを見つけたので、即ゲット。さっそく読んだ。 大学卒業あたりまでは普通に自伝として楽しめるのだが、政治活動を始めてからは、ひたす…

山口周『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』

昨今の「外資系コンサル」本の著者のひとりによる本。最近のそれ系の本をあらかた読んだのだけど、この人の本は、森秀明『外資系コンサルの3STEP思考術』の著者とともに面白いと思う(『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」 (光文社新書)…

森秀明『外資系コンサルの3STEP思考術』

著者の前作『外資系コンサルの資料作成術』がよかったので、新しく出たこの本も買って読んでみた。ごく基本的なことが述べられているに過ぎないが、まあ、これは前提で、そのベースの上に何を積み上げるかが重要だと思うけど。しかしこういうことをちゃんと…

東山彰良『流』

「Pen+ 台湾カルチャークルーズ」にも紹介されていた、今年上半期の直木賞受賞作を読んでみた。1970〜80年代の台湾を中心に、日中戦争からの因縁、台中関係などの歴史的背景に基づく台湾にくらす人々の機微を織り込みつつ、エンタメ的にぐいぐい読ませる小説…

「Pen+ 台湾カルチャークルーズ」

ここのところ調子よくいい感じのものを出してきているPen+から、台湾特集が出た。飲食や観光だけではない台湾。数ヶ月前に、四方田犬彦さんの『台湾の歓び』(傑作)を読んで、台湾の現代文化をもっと知りたいと思っていたところだったので、楽しんで読めた。 …

村田智明『問題解決に効く「行為のデザイン」思考法』

同僚デザイナがオススメしていたので買っていた本を、思い出して読んでみた。早くよんでおけばよかったなという、とてもよい本。単にモノを作るのではなく、それを使うユーザの行為をデザインすること。そのためには、計画・可視化・告知の最初から「デザイ…

2015年10月に読んだ本をブクログでふりかえる

今月は14冊。体調が思わしくなかったり、ちょこちょこコード書いたりもしてたので、少ない。 月のはじめは、人工知能系の本や学会誌をちょっと読んだりした。「人工知能」という切り口だと思いのほか問題領域が広くて、仕事的にはもちろん、自分の関心に引き…

宮本喜一『ロマンとソロバン』

最近のマツダの躍進について書かれたこの本を買って読んだ。自動車業界については、思うところあってトヨタに関する古めの本を読んだりしているのだが、最近の他の会社の事情も知りたいと思っていたところ、ちょうどタイミングよく出たので。マツダの車は、…

草薙龍瞬『反応しない練習』

気になっていた本だが、Kindle版が安売りされていたのを期に買って読んだ。この2ヶ月ほど、マインドフルネス関連の本をいくつか読んだが、メディテーションをどうやればいいのかという実践的な内容は薄いものの、原始仏教の教えを引いてのわかりやすい説明は…

神田秀樹『会社法入門 新版』

2014年改正から昨今のコーポレート・ガバナンス・コードのあたりの流れをちゃんと追えてなかったので、キャッチアップのために読んだ。しかし、会社法、金融商品取引法、取引所の規制と複雑で、まだ不明な点が残る。 会社法入門 新版 (岩波新書)作者: 神田秀…

高橋伸夫『経営学で考える』

著者がこれまで出してきた本をまとめて教科書的体裁にした感じの本。著者の本は好きでよく読んでいるし、実際にいろいろと役立っているので、この本も読んだ。あらためて、触発されることが多い。 経営学で考える作者: 高橋伸夫出版社/メーカー: 有斐閣発売…

「人工知能」Vol.30 No.3, 4(2015年5月号、7月号)

「これからは人工知能だ!」というわけで、人工知能学会に入会してみて学会誌を読んでみているところ。5月号と7月号が、学習工学やビジネス関連の話で、こういう話題もあるんだなあと懐の深さを感じる。 特に、5月号の特集「イノベーションとAI研究」は、Web…

筒井淳也『仕事と家族』

最近刊行された、いろんな意味で関心があるテーマの本がKindle化されたので、買って読んだ。 女性の労働進出が制度的・構造的に進んでいる国、具体例としてはアメリカとスウェーデンで、出生率が比較的よい水準である、すなわち、政府の大小に問題があるので…

ロラン・バルト『喪の日記』

石川美子『ロラン・バルト』の続きで、まだ読んでいなかった『喪の日記』を読む。『彼自身による ロラン・バルト』や『偶景』が大好きなのだけど、それらともまた異なる、痛切な断章群。 ロラン・バルト 喪の日記作者: ロラン・バルト,石川美子出版社/メーカ…

石川美子『ロラン・バルト』

今年はロラン・バルトの生誕100周年。そんなわけで刊行されたのであろう伝記。 バルトは、『彼自身によるロラン・バルト』なども書いてはいるものの、「伝記素」をぱらぱら並べるぐらいにしか書かないので、こうして編年的にバルトの来歴を見るのは初めてで…

谷口忠大『イラストで学ぶ 人工知能概論』

中島秀之『知能の物語』の続き。情報系の学部生向けの教科書。以下の目次の通り、幅広いトピックについて語られている。 「ホイールダック2号」というロボットを作るというストーリー仕立てで話が進んでいくので「なんのためにこれが必要なのか?」というの…

中島秀之『知能の物語』

松尾豊『人工知能は人間を超えるか』 - Kentaro Kuribayashi's blogの続きで、人工知能系の読み物。読み物といっても、かなりハードだったけど。 しかし、著者も哲学などから発想を得てそれを工学的に表現するというようなことをやったりしているし、広い分…

ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』

岸政彦『街の人生』からの流れで、岸政彦さんが褒めていたので読んだ。ロサンゼルスの「ペニーセイバー」という、「売ります買います」を載せた紙媒体に投稿しているひとに連絡を取ってインタビューした記録と、著者の映画製作の流れをからめて物語った本。 …

アシュリー・バンス『イーロン・マスク 未来を創る男』

イーロン・マスクの伝記が刊行されたので読んだ。ふんわりと構想はあったとはいえ、宇宙事業も自動車事業も、わりといきあたりばったりで開始されたことが知れて面白い。その後、ギリギリのところを複数回タイミングよく切り抜けていまがあるのもすごいなあ…

山田胡瓜『バイナリ畑でつかまえて』

タイトルは聞いたことがあったけど読んでなかった漫画がKindleで刊行されたというのを見て、読んでみた。最高に素晴らしい……。インターネットに棲む我々が日々感じている小さな出来事が、こんなリリカルな漫画になるなんてなあ。ほんとよかった。 バイナリ畑…

伊丹敬之『よき経営者の姿』

伊丹敬之先生の御本。いわれていることの要点については「なるほどそうなのだろうな」と思うが、話が長くて読み通すのがしんどかった。 よき経営者の姿 (日経ビジネス人文庫)作者: 伊丹敬之出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2013/12/03メディア: …

松尾豊『人工知能は人間を超えるか』

先日、この本の話題になったのだけどまだ読んでいなかったので読んだ。人工知能に関するこれまでの歴史的流れを踏まえつつ、ディープラーニングによって「特徴表現抽出」問題の解決の糸口がひらけたのが重要なんだという整理は、わかりやすくて明解。なるほ…

花村太郎『知的トレーニングの技術〔完全独習版〕』

「読書猿ブログはこの一冊から始まった:『知的トレーニングの技術』復活を知らせ再び強く勧める 読書猿Classic: between / beyond readers」で紹介されていたので読んだ。文章の形で知的アウトプットを行うひとには必須だろうけど、そうでないものを構成す…